貸し店舗や賃貸豆知識・地域のお役立ちコラム! 詳細
事業計画書の作成
事業計画書の作成
独立して行う仕事をどうやって継続させ、発展させるかが重要です。それを実現するためには、独立後の日々の努力が大事なことは当然として、独立前にもしっかり準備しておくべきことがあります。
それは信念(精神的財産)、仕組み(知的財産)、資金(物的財産)、商品(サービス)、市場、支援です。それをどう考え、どう準備し、どう動かしていくのかを綿密に計画したものが、事業計画書です。
立案に必要な要素を考える
なぜこの事業をするのか?
後に苦難に当たった時の精神的支えとして、また、事業として成功するものは社会から歓迎される事業である事が多いため、自分のやろうとする事業の存在意義を確認するためにもわすれてはいけない事です。
商品・サービスの具体的な内容は?
顧客に対してどのような商品やサービスを提供しようとしているのか、商品やサービスは顧客に受け入れられる物かを考える。
想定する市場は?顧客は?
商品やサービスを提供しようとするターゲットはできるだけ絞り込む。ターゲットが鮮明になればなるほど、アプローチの方法が具体的に検討できる。
どんな特徴で?でんなノウハウを使うのか?
商品やサービスを目指す市場、顧客に提供する際にどうやって競合優位性や独自性を発揮するかを検討する「販売力」「商品のアイデア」「物流の効率性」といった特徴を発揮するにはそれを生むノウハウも必要。
どのようなタイミングで行うか?
事業の特徴となるノウハウを導入するには「人」「資金」をどのタイミングで投入するかが重要です。
どの時期にどんな人とどれくらいの資金が必要かという時間の概念を明確にする事によって事業プランが出来ます。
だれがやるのか?
事業内容とそれを実演するフローの中でどんな人材が必要となるかを考える。自分やパートナーの能力を判断し、事業を進める上で他にどんな能力を持った人が何人必要かと言う事を検討する。
資金は?売り上げ高の目標は?
開業前、開業後運営していく中でどれだけの資金が必要となるのかや、どんなタイミングで必要となるかを事業フローや売り上げ見込みと合わせて検討し、具体的な資金計画や資金調達法に繋げる。
何をするのか? どの市場でやるのか?
上記の様な考えを進めるうえでの原則的な順番があります。多くの場合は、「商品・サービスの具体的な内容は?」から、次に「想定する市場は?顧客は?」へと進んでいきますが、反対に、先に狙う市場やターゲットを定めて、そこに提供できる商品やサービスを考案する方法もあります。
前者は動機先行型で、後者は根拠先行型です。
マーケティング的には後者が有利ですが、「商品・サービスの具体的な内容は?」と「想定する市場は?顧客は?」の2つを頻繁に往復してプランを深めていけば、どちらからスタートしてもかまいません。
いずれにしても、「なぜこの事業をするのか?」には、たえず立ち返ることが大切です。なぜ、自分はそれをやるのか、なぜ、人々(市場)はそれを必要とするのか、その回答が曖昧なプランは「空理空論」でしかないのですから。
事業計画書から外せない8つの項目
事業プラン名
簡潔かつ魅力的でこれだけでも何を計画してるのかが一目で伝わるくらいのタイトル
事業内容
どんな市場・ターゲットに対してどんな商品・サービスを提供するのかを可能な限り端的に説明する
市場環境
市場規模や成長性、競合相手の評価等を各種統計データなどを活用して分析する。表やグラフで表す。
競合優位性
同業種・同業態だけではなく、同ターゲットの異業種競合をも意識し、優位性や差別化を訴求する
市場アクセス
計画している事業をどう市場に認識させるか、どう販売網を築くかなどを、事業の実現プロセスを伝える
経営プラン
仕入れ計画・開発・精算計画、人員・組織計画など事業を継続的に運営する為のシステムを紹介する
リスクと解決策
想定されるリスクや問題点を抽出し、危険度を分析すると共に対処方法や解決策を先行的に提示する
資金計画
詳細な収支予測に加えて、資金繰計画も立案。また、資金調達案や返済・配当計画も提示しておく
まずは事業計画書の主要項目をつかむ
上の8項目は、業種や業態、規模の大小にかかわらず、必ず設定しておくべきもので、各項目には、それに則した表現方法で結論を書き込む必要があります。
そこで問題なのが、「各項目に則した表現方法」という点。
つまり、自らの専門分野の知識のほかに、マーケティングや経営、会計などの知識が必要になるわけです。
ここに事業計画書作成の難しさがあります。しかし、計画書が書けないということは、結局、プランが立てられないことを意味しているので、ひいては事業を実施できないということになってしまいます。
基礎的な知識は、書籍や短期のセミナーなどでも十分に学べるし、大事なことは、むしろ、それらの知識がなぜ必要なのかを理解していることです。それさえわかっていれば、細部については、各項目の専門家と相談しながら進めることで何とかクリアできるはずです。
魅力、根拠、緻密が内容上のポイント
平易な表現をすれば……。「何を、なぜ、誰に、どんな市場で、どんな特徴を持って、どのように知らせ、どのように提供するか。そして、それは、いつ、誰と、どんな方法で、どんな数字にもとづき、どんな数字を目指して行うのか」ということになります。
実際にはボリュームが増えるため、冊子として仕上がるケースが多いのですが、その場合、全項目に記述するだけでなく、山場を設けることが大切です。
内容の魅力を伝える部分、その根拠を示す部分、そして計画の緻密さ、これらには特に注力したいものです。
明瞭、簡潔、平易が作成上のポイント
事業計画書の作成上、注意したい点はわかりやすく書くということ。
内容がわからないプランに賛意を示す人はいません。もちろん、難解な専門用語の羅列や外国語表記の連発も逆効果。長すぎる前置きや、多すぎる参考資料も考えものです。
とにかく、明瞭かつ簡潔が鉄則。もし、プランが壮大ならば、一言でわかるタイトルやサマリー(事業プランの要約)を用意しましょう。
さらに、データの使い方もポイント。相手を説得するためには、山場となる部分で裏付けデータが必要になります。数値データは、表やグラフを活用して煩雑にならないよう表記します。また、前書き部分などに、たとえば「資金を提供してほしい」「パートナーになってほしい」といった作成目的を示すことも大切です。
そして、他人に物事を依頼するための書類だと考えれば、文章は「ですます調」でまとめることも大切です。
事業計画書のチェックポイント
実現不可能な計画や売上高をぶちあげていないか?
事業計画書の冒頭に「1年後店頭上場」などと書かれているケースがある。夢が大きいことはいいが、「この人物は現実が見えているのか」と思われるような表現は避けたい。
また、各種予測数字も、勢いだけで書かず、裏付けを取ることが必要です。
すぐにマネされないよう対策は考えているか?
事業を稼働させるまでの速度に注目しているか。独創的なつもりでも、同時期に似たプランを考える人も多い。
稼働までにもたつかないこと。また、登場すれば、人々がそれをマネしようとするのは時間の問題。特許を含む権利対策も意識しよう。
対象とする客層を極端に絞り込みすぎていないか?
広すぎるターゲットでは訴求力がないが、半面、狭すぎるターゲットを設定してしまうと、マーケット規模が小さすぎて、収益力が弱まったり、非効率になる危険がある。
また、リターンを期待する資金提供側のメリットが減少する危険もある。
事業を稼働させるスタッフを実際に確保できるか?
事業を稼働させるまでの速度に注目しているか。独創的なつもりでも、同時期に似たプランを考える人も多い。
稼働までにもたつかないこと。また、登場すれば、人々がそれをマネしようとするのは時間の問題。特許を含む権利対策も意識しよう。
流通・販売方法を無視していないか?
流通・販売方法は考えられているか。問屋に卸すのか、小売りに卸すのか、通信販売などで直接売るのか。
あるいは、それらを複合的にやるのか。そのほかの方法か。どんなルートなら確保できるのか、コストもにらみながら検討しておこう。
特許や商標、著作権などを侵害していないか?
アイデアは、盗用などしていなくても、すでに特許や実用新案が認められている可能性はあるし、出願中ということもある。
また、ネーミングやデザインなどが商標や意匠を侵害していないかも要注意。知的所有権や著作権にも気をつけたい。
事業計画書の内容が専門的になりすぎていないか?
事業計画書を読む人は、ビジネスのプロであっても、提案事業に造詣が深いとは限らない。内容や表現が専門的になりすぎないよう注意し、できるだけ平易な表現を用いよう。
理解しない相手を責めるより、どう理解させるかを考えることが大切。
事業計画書の量が膨大になりすぎていないか?
事業計画書は厚いほどいいと考える人もいるかもしれないが、それは錯覚。長すぎる計画書ほど理解させるのは難しい。10〜15分程度で概要とポイントがつかめる量が標準。
どうしても量が多くなるなら、別紙や別冊にして、分けて見てもらおう。
書くべき内容の比重を間違っていないか?
そのプランのどの項目を一番伝えたいのか、あるいは、相手はどの項目を一番知りたがっているのかで記述の比重は変わる。
たとえば、マーケットの将来性が魅力的なら、その説明を詳しくすべき。ただし、読み手が理解しやすい順に書くこと。
プレゼンテーションとの役割分担を意識しているか?
事業計画書は、それだけを見てもらう場合と、プレゼンテーションしながら見てもらう場合とがある。
また、映像や模型などのツールを使える場合と使えない場合もある。どういう環境で見てもらうのかを意識して、内容やボリュームを決めたい。