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「とりあえず出店」が危ない理由

「良い物件が見つかったから、とりあえず借りてみよう」
「いつか開業したいと思っていたから、この機会に始めよう」
「細かいことは、出店してから考えればいい」
店舗やテナントを探している方の中には、このような考えで出店を決める方もいらっしゃいます。
もちろん、事業を始めるためには行動力も必要です。どれだけ計画を立てても、実際に行動しなければ売上は生まれません。
しかし、出店すること自体が目的になってしまうと、開業後の経営で苦労する可能性があります。
店舗を借りると、家賃や人件費などの支出が発生します。売上が十分に確保できていなくても、毎月の支払いは続きます。
そのため、出店前に考えておくべきなのは、「どこに出店するか」だけではありません。
「誰に何を提供するのか」「どのように集客するのか」「毎月いくら売り上げれば利益が残るのか」まで考えておく必要があります。
今回は、店舗経営で陥りやすい「とりあえず出店」が危険な理由と、失敗を防ぐために押さえておきたいポイントを解説します。
�� 出店することがゴールになってしまう
開業を目指している方にとって、希望に合う物件を見つけることは大きな一歩です。
物件が決まり、契約を済ませ、内装工事が始まると、少しずつ店舗の形が見えてきます。
しかし、この段階で満足してしまうことには注意が必要です。
店舗を開業することと、事業を成功させることは別だからです。
例えば、内装や設備にこだわり、理想の店舗を完成させたとしても、集客方法が決まっていなければ、開業後にお客様を集めることに苦労するかもしれません。
また、商品やサービスの内容が曖昧なままでは、誰に向けた店舗なのかが伝わりにくくなります。
出店準備では、物件探しや内装工事だけでなく、開業後の営業についても具体的に考えておくことが重要です。
店舗を完成させることではなく、店舗を通じて事業を継続し、利益を生み出すことをゴールにしましょう。
�� 売上の見込みが曖昧なまま契約してしまう
「この場所ならお客様が来てくれそう」
「近くに競合店が少ないから、きっと需要がある」
「知り合いが応援してくれるから大丈夫」
こうした期待は、出店を決断するきっかけになることがあります。
しかし、期待だけで売上を見込むのは危険です。
例えば、飲食店を開業する場合、月間売上を考えるためには、客単価や来店客数、営業日数などを具体的に想定する必要があります。
仮に、客単価が2,000円、1日平均20人、月25日営業と想定した場合、月間売上は100万円です。
一方、1日の来店客数が10人にとどまれば、月間売上は50万円になります。
同じ店舗でも、来店客数が変わるだけで売上は大きく変わります。
もちろん、出店前に正確な来店客数を予測することは簡単ではありません。
だからこそ、希望的な数字だけでなく、売上が想定を下回った場合も含めて資金計画を立てておく必要があります。
「売上がいくらになりそうか」だけでなく、「売上がいくらまで下がっても経営を続けられるか」を考えることが重要です。
�� 初期費用を支払った後に資金が足りなくなる
店舗を借りる際には、敷金や礼金、仲介手数料、保証会社の費用など、さまざまな初期費用が発生する場合があります。
さらに、内装工事、設備の購入、看板の設置、備品の準備、開業前の広告費なども必要になることがあります。
ここで注意したいのが、開業までに必要な費用ばかりを考えてしまうことです。
開業後、すぐに十分な売上が確保できるとは限りません。
それでも、家賃や人件費、水道光熱費、仕入れなどの支払いは発生します。
開業資金を使い切ってしまい、運転資金が不足すると、売上が軌道に乗る前に資金繰りが苦しくなる可能性があります。
出店前には、少なくとも次の費用を整理しておきましょう。
物件の契約費用
内装・設備工事費
備品・看板などの購入費
開業前の広告・販促費
開業後の運転資金
予想外の支出に備える資金
必要な金額は業種や店舗規模によって異なりますが、開業できるだけの資金ではなく、開業後も営業を続けられるだけの資金を確保することが大切です。
�� 物件を先に決めてしまい、事業内容が後回しになる
出店を急いでいると、条件の良い物件を見つけた段階で、契約を優先してしまうことがあります。
しかし、事業内容が固まっていないまま物件を決めると、後から問題が発生する可能性があります。
例えば、飲食店を予定していたものの、必要な換気設備や給排水設備が整っていなかったり、希望する業種での使用に制限があったりするケースです。
また、必要な広さや客席数、駐車場の台数が事業計画と合わないことも考えられます。
物件を決める前に、次の点を整理しておきましょう。
どのような商品・サービスを提供するのか
どのようなお客様をターゲットにするのか
どの程度の広さが必要なのか
必要な設備や駐車場は何か
どの程度の家賃まで負担できるのか
物件の使用条件や契約条件に問題はないか
物件には、それぞれ特徴や制約があります。
物件に事業を無理に合わせるのではなく、事業に合った物件を選ぶことが、出店後のトラブルを防ぐポイントです。
�� 集客方法を考えないまま開業してしまう
店舗が完成すれば、自然とお客様が来てくれるとは限りません。
特に、新しく開業する店舗は、周辺のお客様に存在を知ってもらうところから始める必要があります。
立地が良くても、店舗の存在が知られていなければ、集客につながらないことがあります。
そのため、出店前から集客方法を考えておくことが重要です。
例えば、業種やターゲットに応じて、次のような方法を検討できます。
ホームページやSNSでの情報発信
Googleビジネスプロフィールなどを活用した店舗情報の整備
オープン前の告知や販促活動
既存顧客への案内
周辺地域へのチラシ配布
予約サイトや業種別ポータルサイトの活用
すべてを実施すればよいわけではありません。
大切なのは、ターゲットとなるお客様がどこで情報を得て、どのようなきっかけで来店するのかを考えることです。
「開業してから集客を考える」のではなく、「開業前からお客様に知ってもらう準備をする」ことが重要です。
�� 毎月の固定費を軽く考えてしまう
出店前には、初期費用に意識が向きやすくなります。
しかし、経営を続けるうえで注意したいのは、毎月発生する固定費です。
店舗を借りると、売上が少ない月でも家賃などの支払いが発生します。
さらに、人件費、リース料、システム利用料、広告費など、契約内容や運営方法によって継続的な支出が発生します。
例えば、売上が計画どおりに伸びなかった場合、固定費が高い店舗ほど、資金繰りに余裕がなくなる可能性があります。
物件を比較するときは、家賃だけで判断せず、毎月必要になる費用を合計して考えましょう。
また、売上から仕入れや材料費などを差し引いた利益で、固定費やその他の経費をどこまで賄えるのかを確認することも大切です。
借りられる家賃ではなく、事業を継続できる家賃を基準にする。
この視点を持つことで、出店後の負担を抑えやすくなります。
�� 退去や撤退の可能性を考えていない
出店を決めるときは、成功したときのことを考えがちです。
しかし、事業を始める以上、想定どおりに進まない可能性も考えておく必要があります。
売上が伸びなかった場合や、事業方針を変更する場合、店舗の移転や退去を検討することもあるでしょう。
その際、契約内容によっては、解約予告期間、違約金、原状回復費用などの負担が発生する場合があります。
また、内装や設備に多額の費用をかけていても、退去時にその費用を回収できるとは限りません。
契約前には、次の点も確認しておきましょう。
解約予告は何か月前までに必要か
中途解約に関する違約金はあるか
退去時にどの範囲まで原状回復が必要か
残置設備や造作の扱いはどうなるか
契約期間や更新条件はどうなっているか
もちろん、撤退を前提に出店する必要はありません。
ただし、万が一の際の負担を把握しておくことは、事業リスクを管理するうえで大切です。
出店時だけでなく、退去するときまで考えて契約することが重要です。
「とりあえず出店」を防ぐために、契約前に整理すべき5つのこと
ここまでの内容を踏まえ、店舗を契約する前に次の5点を確認しましょう。
1.事業の方向性
誰をターゲットにし、どのような商品・サービスを提供するのか。
競合店との違いや、お客様に選ばれる理由を整理しておきましょう。
2.売上と利益の計画
客単価、来店客数、営業日数などをもとに売上を試算し、経費を差し引いた後に利益が残るかを確認します。
売上が計画を下回る場合の試算も重要です。
3.資金計画
契約費用や工事費だけでなく、開業後の運転資金や予備資金まで確保できるかを確認します。
4.物件と事業の相性
立地、面積、設備、駐車場、業種制限、契約条件などが事業計画に合っているかを確認します。
5.開業後の行動計画
集客方法、販促活動、営業開始までのスケジュールなど、開業後に向けた具体的な行動を決めておきましょう。
これらを整理しておけば、物件を探す段階から判断基準が明確になり、勢いだけで契約してしまうリスクを減らせます。
まとめ:出店することより、出店後に続けられることが大切
「とりあえず出店」は、行動力があるからこそ起こる判断でもあります。
良い物件に出会い、開業への意欲が高まることは決して悪いことではありません。
しかし、事業計画や資金計画が曖昧なまま契約してしまうと、開業後に予想外の負担が発生する可能性があります。
店舗選びで大切なのは、単に条件の良い物件を見つけることではありません。
事業として成立する見込みがあるか
無理のない資金計画になっているか
ターゲットに合った立地なのか
毎月の固定費を負担できるか
契約条件や退去時の負担を把握しているか
こうした点を一つずつ確認することが重要です。
出店はゴールではなく、事業のスタートです。
「とりあえず借りる」ではなく、「この物件で事業を続けられる根拠があるから借りる」。
この違いが、出店後の経営を大きく左右します。
焦って契約する前に、一度立ち止まって事業計画と物件条件を見直してみましょう。
BRUNO不動産では、店舗・テナントのご紹介だけでなく、立地や広さ、家賃、初期費用、設備、契約条件などを確認しながら、お客様の事業計画に合った物件探しをサポートしています。
初めての出店で何から始めればよいか分からない方や、検討中の物件で事業を始められるか不安な方も、お気軽にBRUNO不動産までご相談ください。

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